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加賀谷通信

◎ 酒蔵訪問記
その1 東酒造さんへ(小松市)

春の声がすぐそこまで来ている3月半ば、小松市にある東酒造さんへ伺いました。160年以上もの歴史ある酒蔵です。
国登録有形文化財の石蔵造りをなしていて住居だった和風建築のお邸の裏には庭園が広がります。これだけでも見ごたえのある酒蔵さんです。
杜氏でもある二見さんが出迎えてくれ、3時間もの長丁場に渡り日本酒への熱い思いや現在の酒造りの様子を伝えて下さいました。
通年ですと、東酒造さんの酒造りは2月初旬頃には終わっているのですが、昨年に続き今年も被災した酒蔵「中島酒造」さんに、酒造りの場を貸されているので、タンクはフル回転しており忙しそうでした。
二見杜氏曰く、今年、苦戦したのは酒米の固さだったようです。全国的にどこでも同じなのですが、夏がとても長く冬が短い傾向から、酒蔵さんとしては蔵の中を冷やしながら酒造りを行う蔵もあります。
今年、冬の石川の気温は低い方でしたが、温暖化の影響で米が硬く麹を造るにも苦労をされたそうです。
お米が硬いと発酵段階ではお米が溶けにくいという事が起こります。一般的にはお米が溶けにくいと、薄味に仕上がります。
逆にお米が溶けると濃い味わいとなります。
そこでバランスのとれたお酒を醸すには硬いお米としっかりと向き合う事。
まずは麹造りがとても重要との事で、惜しげなく麹室に入らせて頂きました。

二見さんの熱すぎる熱弁を聞き、これ以上居たら、酒造りを手伝わされそうでしたので(笑)蔵入りしている中島酒造の中島君の元気な姿も確認し、次なる酒蔵へ…
その2 西出酒造さんへ(小松市)
西出酒造さんでは、当主の西出さんと、元気の良い若女将、そしてお母様が家族総出で出迎えてくれました。

西出酒造は、清酒業界の低迷を迎えたお父様の代の時に蔵元は他社へ譲渡される事となりましたが、そののち、現蔵元杜氏でもある西出裕恒氏が買い取り、現在の西出酒造が再出発しました。
いつかお父様と造りたいと願った「春心」銘柄を復活させ、今では看板商品となりました。
優しい口調ですが、とても芯のしっかりとした考えを持っておられ、日々チャレンジの酒を醸します。
原料を見て味わいの設計たてるというような、面白くもありチャレンジャーな西出さん。データーだけでは計り知れない微生物達との対話から出来上がったお酒は、ある種とても素直です。

木桶仕込みのお酒などは、お酒業界では無しとされていた木の香りがしっかりとついており、石川県内には、あまりこういったタイプのお酒は無いと思います。
今後も、お薦めさせて頂きますので、是非飲んでみて下さい。
◎ ワイン流行の製法
“グラップ・アンティエール”
先日、東京へ勉強会に行ってきました。そこで学んだことの1つに、近年、ワイン生産者で流行っているワインの製法があると言うお話です。
少し前から流行っていると聞いていた造りなのですが、それが“グラップ・アンティエール”という製法。
通常の赤ワインを造る醸造方は、葡萄を砕いて(破砕)して果汁と果皮、種などと一緒に発酵させるのですが、グラップアンティエールは、葡萄房をそのまま無酸素状態の(人為的に無酸素にする)タンクに入れ密封し、葡萄の中にある酵素の働きによってアルコール発酵を促す造り(酵母の働きではなく、酵素の働きでアルコールを生成)。
これを行うことで、フレッシュで軽快渋味を過度に出さず、とても飲みやすいワインを造る事が出来る技法です。
この軽い味わいを目指す造りが流行している理由は、世界的に軽い味わいのワインが流行っているからです。
ボディ感を目指す造りを行っていた産地ですら、この流れに逆らえず、あえて葡萄を早く収穫したり、グラップ・アンティエールを行ったりなど、今まで行ってこなかった取組をしています。

↑グラップ・アンティエールのワイン
ワインは嗜好品ですので、流行り廃りはあると思いますが、「渋くて重い」スタイルは、現在、市場ではなかなか受け入れらない状況です(美味しいのも多いんですけどね)。
葡萄の熟度が高く、どうしても濃くなってしまう産地もありますが、それでも栽培、醸造技術で、濃いけど口当たりが柔らかく、飲み難さを感じさせない味わいのワインを多くみるようになりました。
白ワインも混ぜる生産者もいる程で、より軽やかな味わいのワインを造る為に生産者は、努力しています。
勉強会では、他にも様々なワイン生産者の現状なども詳しくお話を聞く事が出来ました。
日々色んなワインを手に取り販売させて頂いている訳ですが、コロナ禍以降、本当に色んなものが急激に変化し、ワイン主要産地も歴史だけでは生き残れない状況。考えさせられる勉強会でした。
ちなみに、今、フランス国内で最も流行っているワインの種類は、”ペティヤン・ナチュレル “です。
このワインは、少し残糖を残した状態で瓶詰めして、瓶の中で少し醗酵する事で微量にガスを含んだワインで、辛さがやさしく、ジューシーな果実感を感じるタイプのワインです。
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